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団鬼六先生
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この追悼ページのコメントがあまりによかったので(別に何とも思わないものもあるけど、とにかく谷ナオミさんのコメントが素晴らしい)、ついつい自分も何か書き残したくなってしまった。


僕が初めて所謂エロ小説を読んだのは中学の頃で、エロ小説界のトップランナーフランス書院のOLものだったはず。誰かが持ってて貸してもらった。

で、その頃は僕の人生の中でもかなり本を読んでいて、今みたいに何を読んでも楽しめるような頭のネジのユルさもなく、毎日何かしら活字を読んで、自分なりに色々と思うところもあった時期だったため、はっきり言ってその小説はつまらなかったと感じた。

ただ、困ったことに、クソつまらなかったのだけれど、しっかりアレはアレしていたわけです、ええ。まあエロ小説なんてのは、抜ければいいというところがあるので、アレがアレするということこそが、著者の技量の賜物であるとも言えるのだろうけど、多分あの頃はそれっぽい描写があれば何でも興奮できた時分であろうから、やはり読み物としては微妙だったのだろうなあと今振り返って思う次第。


そういう経験をすると、大抵男は自分という動物のしょうもなさを思い知る形になる。ドラマなんかで「女だったら誰でもいいの!?」とヒロインが切れていたら、「もしかしたらそうなのかもしれません」と代わりに平謝りしたくなるようなあの感じ。ってどの感じだよ。ともあれ、面白くもない小説のエロ描写でしっかり興奮する――そんな、己の下等生物っぷりを思い知ることは、本当に情けない話ながらも、男にとっては精神の割礼みたいなものなのかもしれない、などとも思ったり。

僕は人生は自分が無力な存在であることを思い知ってからが本番だと思っているんだけど(話が逸れるけど、だから震災後人生が始まった人がたくさんいると思ってる)、まあ性的な部分ではそのフェーズに到達するのが非常に早いわけですね、男というやつは。「ああ、もう性に関しては、どうしようもねえな、俺(念のため自分だけじゃないかと留保してみるけど、もう周りのやつを見ているだけで大体男皆馬鹿だろ、という確信も当時すでにあったりする)ないしは男」みたいな。

実際僕も知人でスゲエ善玉でいいヤツだし、周囲にも基本的にそう思われてるんだろうけど、下半身のモラルに関しては女性から見たらクソでしかないだろうなあ――みたいなのが何人かいるけども、自分が男である以上は、それを理由にその人を嫌うことは絶対無理って感じがするわけです。女性からすれば言い訳にしか聞こえないかもしれませんが、まあ9割7分くらいの男はそんなものですよ。それが嫌なら男なんてもう相手にしないほうがいい。心なら同性愛でも満たせますよ多分。それか3分の男を血眼で探すか。


そして、ようやく団先生に話が移るんだけど、その後自発的にエロ小説を読みたくなったことがあり、件のフランス書院OLものの経験を踏まえて、文学的な評価も高い団先生の小説に手を出してみようと思い、近所の古本屋で『夕顔夫人』を買ってみた。文学作品として買ってるんですよ! というポーズのため、という側面も勿論ある(笑)。

で、読んでみたらばやはり面白い。そして面白い上にアレがアレしている。こうなると、それはそれでまた自我が大きく揺さぶられるわけだ。

普通に小説として楽しく読んでいるのに、下半身はしっかり興奮している。おまけにSMものだから、こんなに酷い目あってるのに、何、俺はそれが嬉しいわけ? みたいなことを思い、なかなかに衝撃を受けたわけです。

でも、そのときの僕は、まあ言ってしまえばセックスなんてのは非常にビジュアル的には滑稽な行いですし、人間にとってそれほど大したことじゃないから、そんな風に細々と歪みがあったりするんだろう――という、今にして思えば特に筋が通っているわけではない気がする理屈で自分を納得させた。別の言い方をしてみれば、俺も君も性的には変態だけど、人間のメインってその部分じゃないから、別にそこら辺がちょっとくらい変でも大丈夫なんだよ――的な。『夕顔夫人』に興奮してる君はイレギュラーみたいなもので、ジッドの『狭き門』を読んでいる君こそがメインなのだよと。


ところがですよ、浅い人生経験なりに色々世の中を見聞きしてみたら、どうもイレギュラーだと思っていたドロドロした部分が、どうも人間のメインっぽいじゃねーかとなっていく。

もうそれは最初の比ではない衝撃ですよね。長い時を経た第二波。っていうか、別にSMとかエロとか関係なく、人間なんて皆倒錯してるようなもんじゃねーかと。

で、そういう風に一度思うと、もう何でもよくなる。偉そうな話だけど全部許せる。先生の言う、

「一期は夢よ ただ狂え」

っていうのが非常に腑に落ちるわけで。もちろん凄くストイックに生きている人もたくさんいるわけだけど、僕からすればこんな世の中でそうやって生きていけることって、もうある種狂ってなければできない気がしているので、もう要するに皆おかしくって、そしてそれが悪いわけじゃなく、皆おかしいからこそこんなにも愛おしいものなのではないかと。


当然、僕のそういう考え方を全部団先生が築き上げたわけではまったくないけど、多分振り返って鑑みるに、そのベースのかなり大きな割合を占めているのではないかという気が、何となくしている(笑)。

一気に台無し感ありますけど、僕は本当にそこら辺が若年性痴呆気味なので、申し訳ない。読んだ本の内容とか全然覚えてないんですよ、異常なくらいに。でも面白かった、とか、そういうレベルは、そこそこちゃんと覚えているので。

まあ、どうせ一期は夢なのだから、何となくでいいんじゃないかなあと(笑)。


団先生にとって、病との戦いが始まって以降は、正直なところ、ストイックな生活をするほうがむしろ楽だったんじゃないか? と思ったりもするのだけれど、死ぬその瞬間まで快楽主義者であったのでしょう。

それも、多分狂ってないとできないことなんだろうな、なんて。

お疲れさまでした。
はてなブックマーク - 団鬼六先生 | 02:48 | 戯言 | comments(0) | trackbacks(2)
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2011/05/14 1:17 PM
元有名ファッション誌モデル出身で映画にも出演していた芸能人「柏木りさ」のAVデビュー作。さらにデビューで過激に「中出し」も解禁!!
モデル【柏木りさ】の中出しセックス大公開!!
2011/05/14 7:30 PM
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