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この世の果て
 先日、仕事になるかならないか、という感じの、とある企業の社長さんと、打ち合わせ半分雑談半分といった感じのミーティングを喫茶店でしていた際のこと、ゼロ年代は結局何もなかったけど、来年からは色々と始まっていく気がする、という話をした。悪い意味で。

すると、社長さんも同意して、自分の企業に面接にやってくる人たちのとんでもエピソードを色々と聞かせてくれて、「これで一冊書けるんじゃないですか?」とか2人して笑ってはいたものの、実は笑えないことは百も承知であった。

リストラされてしまった50代のお父さんや、シャレにならないレベルの大学生。特に、若者は悲惨だ。何も悪くないのにゆとり呼ばわりされ(僕も言うけど・笑)、ゆとりを押し付けられた果てに待っているのは、ゆとる前の大学生たちが飛び出したそれよりも厳しい情勢の社会。罰ゲームにも程がある。

カルチャー的な意味においても、21世紀になって、ゼロ年代を代表するものは特になかったと思っている。日本において中田ヤスタカがあるいは――と期待したこともあったのだけれど、結局アイコンになるまでにはいかなかった(受け取る側の構え方も大きいし、中田さんを悪く言うつもりはまったくありませんのであしからず)。


そんなことを思っていたら、友人の日記で菊地成孔がコンサートのMCでこう言ったと書いてあった。以下コピペ。

「皆21世紀がもう来てると思っているでしょ?私は違うとおもいます。一つずれている。でなければ、今年マイケルが死に、ピナ・バウシュが死に、マース・カニングハムが亡くなった事の説明が付かない。そう、来年から21世紀がとうとうやってくるんです。」

以上コピペ。なるほど、まあキリスト教徒でもないのに、素直に暦に乗っからなくとも別にいいだろうし、明日から21世紀――おそらく混沌の世紀が――始まるという考え方は悪くないなと思った。

実際に、今年逝ってしまったたくさんのアイコンたち、清志郎も三沢もMJも、全てとは言わないけれど、ほとんどの人たちが、本来の20世紀に最も輝きを放っていたと見る向きがほとんどであろう人たちばかりではないか。

そして、そんなことを考えていると、マイケル・ジャクソンが50歳で、レヴィ・ストロースが100歳でその生涯を閉じた1年を、それが何の世紀であるかはともかく、世紀末でないと言うほうがおかしい――という気すらしてくるのであった。

今年の頭に書いたこの日記にて、「昨年の今日はどこかで新年を迎え、今年の新年はいかなる灯に照らされることもなくなってしまった全ての人々にも心からの感謝を。特に、飯島愛さんと、坂本敏美さんと、由利大輔さんに」と書いた。

今年は、そんなことを言っては去年亡くなった方々に失礼になってしまうのだけれど、感謝よりも、恨み節のひとつも言わずにはいられないくらいに、あまりにたくさんの人が惜しまれながら逝ってしまったように思えてならない。まるでこれから先、本当に酷いことになるのが分かっていて、一足お先に一抜けされてしまったかのような感覚すらある。

それでも、やはり感謝せずにはいられないのだけれど、感謝と共に、あなたたちを愛していたたくさんの人たちをあんなに残酷に放り出してしまったのだから、せめてそれらの人たちのこれからの人生を、生前と同じように照らし続けてもらえないだろうかと願わずにはいられない。

それは非常に悲しいことだけれど、やはりこの世界は、生きている我々のためになければいけない。

しかし、神様は我々よりも、自分の仲間入りを果たした先人たちに祝福を与えるのに手一杯で、どうも我々を疎かにされているような気がする。だから、我々は人間同士手を取り合って生きていかねばいかんのではないかね。まあ綺麗事で、また綺麗事だからこそ、それは永久に叶わない絵空事でしかないのかもしれないけれど。

ただ、それでも、僕は今年亡くなってしまった人たち以上に、生きて新年を迎える人たちに、より多くの、感謝を捧げたい気分です。本当に、ありがとうございます。

今から投稿ボタンを押して、新年を迎えるまでに、この世界で誰一人として人が死ぬことがなければ、来年からは神を信じようと思います。そして、そうならなかったら、来年はこれまで以上に人を信じたいと思います。

全ての、本当に全ての人にとって、来年が素晴らしい年になるよう、心よりお祈り申し上げます。よいお年を!

JUGEMテーマ:日記・一般
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2009/12/31 7:58 PM
今年一年の時を刻む砂時計も、すべての砂が落下してしまうまであとほんの少しです。
ガラス瓶に手紙を入れて